北へ歩く

北へ歩く


【百鬼夜行時の東京】

「ククッ…そろそろ終わりか、」

彼女は腕を無くし、呪具も失った

周りに居るのは仲間では無く、多くの呪い

(四面楚歌…詰みってとこかな)

『紫お姉ちゃん…これはもう…』

「あぁそうだね、ここで俺は死ぬんだろう」

『私…紫お姉ちゃんと一緒なら怖くない』

「そうだな……死ぬ前に、一泡吹かせてやるか」

【敵に突っ込んでいく】

「『焼尽、猛炎、不動の劫火……“葬”!!』」

自分ごと全てを焼き尽くす炎が上がった

【空港】

「んぅ…ここは、空港?」

(あぁ…私死んだのか)

『あっ!紫お姉ちゃん!』

「やっ、紫。」

「一真…椿!」

「『後悔はない?』」

「無い…って言ったら嘘になるなぁ、あの人と一緒に逝きたかったし…二人の結婚式も見たかった。」

「ははっ、そうだよなぁ」

『紫お姉ちゃんらしいね!』

「そうかな?」

「…新しい自分になりたいなら北、昔の自分に戻りたいなら南…どっちが良い?」

「俺は…北だね。昔を思い出すのも悪くは無いけど、辛くなる」

「それで良いさ。んで、今はどうするんだい?」

「ここに居るさ、皆がいつか来るだろうし…それに、二人がいるからね」

「そうか…俺が死んで後どんな事があったか教えてくれないかい?」

「そうだねぇ…色々あるよ?」

「なんでも良いよ」

「そっかぁ、ならあの時ね……?」

『私も私も!』

「あはは、椿も一緒に話す?」

『うんっ!』

「そうかそうか…それでね?」

【話が始まる】

(皆、長生きしてほしいなぁ………)

【現実、何処かの山】

狐花紫・漸く憩う

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